いつまでも幼稚園児

書く練習、書くリハビリ

連休と1月14日週の記録

 

 

1月11日(土)

集英社の講座@東大

「フランス映画と愛」野崎歓さん

映画のパンフでよく名前を見かける人だから、興味深かった。日本語しゃべってるのに、なぜかフランス語のように巻き舌で熱っぽく、もうフランスのことが好きで好きでたまらないという様子。「フランス人はアムールに冒されているんです。くっ…」同じ講座を受けているKさんによると、蓮實重彦さんの弟子らしい。1時間40分の授業で初めてお話を聞いただけだが、研究分野へのあふれんばかりの情熱が伝わってきた。愛とかちっともわからないけど、フランス映画の「天井桟敷の人々」は見たくなった。帰りに上野のアトレで野崎さんの著書「フランス文学と愛」(講談社新書)も買った。モリエールが書いた台詞に笑う。「あなたは私の心をこっそり盗んだ。泥棒!泥棒!泥棒!泥棒!」名台詞との誉れも高い「ルパン三世カリオストロの城」での王女の台詞もこれを下敷きにしてるのかなあ、やっぱり。モリエールはおろか、シェークスピアやチェーホフもろくに知らんのだけど、物語をつくりたいとかほざくなら古典を学ぶことはやっぱり大事だよね。読まねば。(かじらねば。)

 

おひとりさま、上野みはし。白玉クリームあんみつ。820円。いちごトッピング。

18時から新橋のCM制作会社にて仕事の打ち合わせ。この仕事は唯一いる意味あるかも。

 

 

1月12日(日)

Iくんと遊ぶ。

草枕でカレーを食べた後、新宿武蔵野館で「もらとりあむタマ子」。

途中すこし退屈だった。でも、何も起こらないようで、物語の最初と最後とでは確かな変化があり、毎日働きたくないと思っている人間には関心のあるテーマだし、こういう映画もあるんだ、となかなか興味深かった。あと「さびしんぼう」好きだから富田靖子久しぶりに見られてうれしかった。

一見つまらないなんでもない日常を細かくなにかあるように描写できる監督には力がある、と思う。

最近、小説を勉強するために今まではあまり読まなかった純文学系の賞を穫っている現代作家(高橋源一郎綿矢りさ保坂和志舞城王太郎etc)をいくつか読んだんだけど、日常の描写力のある人こそ、真に物語る力を持つ人だな、と感じる。

映画やドラマをたくさん見ていると、ついつい、わかりやすい刺激の強いカタルシスを求めがちだけど、そうじゃないカタルシスもあるんだ。というか、そういうカタルシスのほうが結局は強いし残るのではないかと思う。会社同期のTくんの影響もあるけど。そういうわけで、最初読んだ時は「うげっ!」となった村上春樹の文章や物語力も本当にすごいんだなと思う今日この頃。去年は柴田元幸さんの訳したものに出会えたのも

読書のフェスとそれを教えてくれたAくんにも感謝。

 

ほんのすこしだけ、読み手としての力がついたのかな(リハビリできたのかな)、とも。

全然読めてないんだけど、学生のときよりいまのほうがマシ。一時は本当に本読めなかった。

これだけでも、将来的に進みたい道への大きな一歩だと思いたい。

早熟に憧れてたけれど、それは無理なのだから、自分にできること、自分だからこそできることをするしかないんだ。

 

Iくんと私の関係はなんなんだろう。

こちらの気持ちは伝えたし、だんだん仲良くなっていると感じるけど、よくわからない。

いまのところ、中学生のような関係しか持てていない。それ以上のことをする積極性もないのだけど。

こちらのきもちって書いたけど、私も自分のことがよくわかってなくて。恋に恋してただけなのかな。ただ、悩み事とか幼少時の記憶を緊張することなく打ち明けられる相手ということにはなっていて、貴重な存在であるのは確か。

正直、家族以外の他者とのコミュニケーションのとりかたに自信がもてなくて。

普通でない自分には、友達すらつくるのがすごく難しいのに、それ以上の関係を他者と築くことなんかできるのか?今までのジンクスだと崩壊しか待ち受けていないのではないか?先に進むのがこわい、仲良くなるのがこわいってのもある。

 

1月13日(月)

全国高校サッカー、富山第一VS星陵の試合をテレビで見る。

スポーツはやるのも見るのもあまり好きじゃないけど、これは素直に応援した。

父親のルーツである富山県代表が全国大会レベルで上位に行くことはほとんどないので。手に汗握ってしまった。

富山が劇的な逆転勝利を収め、うれしかった。

星綾が負けたのは、油断によるもので間違いない。あのパターンはスポーツにおいてよくある。勝てると思った瞬間から負けていく。まあ、補欠の3年生に引退前の最後の試合において思い出作りのために出場機会をあげるというのもわからないではないんだけどね。

 

月に1回くるもののせいでかなりおなか痛い。

せっかくNさんから来た楽しい企画作業にもほとんど手をつけられない。モチベーションが下がっているから、というのもあったのかもしれないが。Nさんには失望されたくないと思っていたけど、この後の水曜の打ち合わせで失望されたに違いない。

 

1月14日(火)

結局中途半端で、CMの企画を提出。時間ギリギリにやるはめに…

Yさんからうーん…バリエーションないねこれじゃ…となる。

丸善で資料を買い、案出し。楽しくなる。いい気分になって、いつのまにか寝ちゃう。

 

1月15日(水)

朝。やべ、あんまできてないや、でも全然焦ってない。

で、夜、WEB案を神谷町に持っていく。結果的にAに負けた。たぶんNさんに失望される。

というか、理解力がなかったと思う。主にスマホ用のアプリだとも某漫画のキャラに沿ったものが採用される確率高いとも理解してなかった。うーん、Aのはきっちり企画書にまとめられていた。

1回目の打ち合わせで決まっちゃうなんて。

居酒屋で、Nさんはgigigimumumuちゃんは一番だったよね、学生ん時。とか言われる。

つまりは、そうだったのに今全然成長してねーな君にはがっかりだよ!…苦笑って意味なのかなあ。Aのことはほめてた。AはNさんの個人的なワークショップにもいったらしい。Aはモチベーションが高い。業務に常に全力でがんばっている。社内営業もかなりがんばっている。がんばって、背伸びして大物に近づこうとしている。一方の私はそういうものがすべて嫌になって投げ出したくなってできるだけ広告そのものから目を遠ざけようととにかくネガティブに厭世的になっている。自己研鑽もストップしている。こうなるのもしょうがなかったのかも。

Nさん「gigigimumumuちゃんさ、学生時代から(外見が)全然変わってないね、変身しなよ!」

そばにいたべつの女性が「あ、わたしメイク道具持ってるよ!」で、居酒屋の一席でメイクをされるハメに。メイクをされて笑いながら、心は泣いていた。あはははは、かなしい。べつにメイクやりたいとか思わないんですけど。思わないからやってないんですけど。思わないからやらないという確固たる選択をしているのに、女をサボってる人扱いされてるんですかね。「メイクこれからはやろうと思った?」と聞かれる。無言の圧力があって、(いや、あの人たちにとっては常識)、「ああー、やっぱり、やろうかな、と思いました(ニコ)」って答える。

やっぱりAは苦手だ。悪いやつじゃないけど、私との組み合わせは悪い。やりにくい。

優先順位がつけられない自分にも嫌悪して、やっぱりな…としょんぼりする。

どうせこうなるなら、CM作業を適当にして、これを3連休しっかりやればよかったのではないか。

Nさんはいい人だ。面白くてすごい人だ。でも、二度と仕事には呼ばれないと思う。

Sさんにもそうだけど、こういう機会をふいにしてしまうんだよなあ。活かせない。なんていうか、やっぱり、ダメなんだと思う。

 

1月16日(木)

会社に泊まった。

Aと用語辞典をつくる。Aの案が採用されたことをうれしく思っていない自分がまだいたけど、その案は私の案がなければ出てこなかったものだし、言葉作りはおもしろく、それなりにノる。まあ、決まったんだから、いっちょ協力してがんばってみっか、ということにする。

早く寝たかったから帰りたかったんだけど、約束をしていた中学の友人Kと久しぶりに会う。東京駅で。八重洲地下街で天せいろ、2軒目はグランルーフのワッフル。2軒目は大学友人Iと会った時と同じ。オヤジだけじゃなくて、OLにも「2軒目」っていう文化はあるのよね。スイーツだけどね。笑

 

Kは、私と共有する思い出があまりない(思い出せない)様子で、途中から間が持たないと思ったのか、私がしゃべっているのに、しきりにスマホを見ている。メールが来て見なきゃということでなく、手持ち無沙汰で、見ようかな、って感じ。

「ねえ、私と会うのってタイクツ?」とニヤニヤしながら聞いてみる、というのもあるか?と頭の中でぼんやりと考えたが、大人なので、やめる。「あー、そうなのか」とさみしく、感じるだけで、そのままにしとく。失礼っていうか、Kって意外に子供だな。失望というよりは、やっぱりKに理想の友人を求めすぎていた向きはあったと思う。

 

「またね!隣の駅で働いてるんだし、たまにはお昼しようね!」と笑顔で別れたが、「また会うことはしばらくないだろうな」と思う。

 

 

1月17日(金)

午前は半休取った。

ものすごい無気力感の中、電車に乗る。なんだこれ?

15時社内打ち合わせ。

下高井戸シネマで「ジンジャーの朝」。

うーん、タイトルは、原題の「ジンジャー&ローザ」のほうがよかったんじゃ…と思った。

イタい青春もので、好きな分野の映画だった。

「17歳の肖像」みたいなね。

エル・ファニングが父親への尊敬と軽蔑との間で揺れる少女を演じている。