いつまでも幼稚園児

書く練習、書くリハビリ

第四回(6月1日)の習作

 

今日もとても面白い授業だった。

古典名作の訳、翻案というものをやってみた。宇治拾遺物語の一篇。僧がある山に行くと、穴がある。そこへ牛が入っていくのが見え、面白そうなのでついていく。穴を抜けると見たこともない桃源郷のような世界が広がっている。色とりどりの花が咲き乱れている。花をさっきの牛が食べている。僧も試しに口にすると、これが、天国のお菓子もこれほどではないだろうというほどの美味しさ。目につくままにたくさん食べると、どんどん太ってしまった。恐ろしくなって、元来た穴から戻っていこうとするも、体はどんどん大きくなってしまい、穴のへりまでは着たけれども、とうとう出られない。堪え難い思いがする。まわりに助けを求めるも、誰も助けてくれず、僧はとうとう死んでしまった。

 

この話を、翻案やってみる、というプラクティスでした。楽しく面白くできたと思うので、記録しておきます。

 

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「追っかけ」

駅で待ち合わせをしていると、前を紫色のドラえもんが通った。「うっわ紫色とかめっずらしー!!ってか、ドラえもんとか初めて見たしー!!」とか思いながら私は、友との約束も忘れ、再び改札を通り、夢中でドラえもんを追いかけた。ドラえもんは、動かす足が見えないくらい速く走っている。ピタッ。急にドラえもんが止まった。「なんですか?」振り返り、この世のものとは思えないおぞましい声を出すドラえもん。目は血走っている。それでもドラえもん大ファンの私は「超カワイイ♡」と思う。「あ、あの…ファンなんです…。」「フーン、じゃ、サインしてあげるよ。」ドラえもんは不機嫌そうな顔で私の体を上から下まで一通り見回すと四次元ポケットから取り出したマッキーで私の腕に直接サインをしてくれた。「それから、オマケ。」紫色のどら焼きをくれた。うわー!!ブルーベリー味だー!!夢中で食べ終わった私が顔を上げると、そこにもうドラえもんはいなかった。今の、何だったんだろう…。夢見心地の私が、改札に戻ろうとすると、そこは一面の壁になっており、いくらドンドンと叩いても、出られそうにない。いつのまにか、まわりには人っ子ひとりいない。そこは、駅でもなかった。一面、紫色の花畑だった。(どうも、天国に来たらしい。ドラえもんに会えたし、ま、いっか…。とのんきに思う私であった。)