いつまでも幼稚園児

書く練習、書くリハビリ

第三回(5月18日)の習作

超短編。この日は、「描写」について学んだ。この講座のいいところは、マニュアルじゃないところ。だからこそ、語彙とか感性とか今までの人生で蓄積されたものすべてをぶつけていかなきゃいけないから、楽しくもあり、厳しくもあり。

適当に人物と風景の描写やってみて、というお題。

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じっとりと汗ばむようなカンカン照りの午後、公園のベンチでサンドイッチを食べながら交差点のほうへ目を向けると、皺が深く刻まれたインド象がゆっくりと信号を渡るところで、その背中には小さな女の子が乗っているのが見えた。年齢は5歳くらい、赤いスカートに白いシャツを着て、目はかなしそうなのに、口には笑みが浮かんでいた。ああ、昨日テレビで見た行方不明の…えっと…なにちゃんだったかな…に似ている、とうっすら思ったけれども、なにしろ周囲のビルがひしゃげそうな溶けそうな暑さだ、頭が正常に働かない。砂混じりの強い風が吹いてきて目をつぶってまたあけると、もうそこには象も女の子もいなかった。