いつまでも幼稚園児

書く練習、書くリハビリ

第二回(4月20日)の習作

記載が前後しますが。この講座は、簡単なプラクティスをやることで、自分にも書けるんだ!という自信をつけ、楽しく書く習慣をつける、というところが狙いだと思う。とにかく下手でもなんでも、書き続ける(練習)が大切。

描写ってすごく大事ね。情景がありありと目の前に浮かぶような文。それによって、リアリティが出るのね。同じ風景でも、動詞、形容詞、副詞、どんな単語を選ぶかによっても、文体や読後感はまったく変わってくる。だから、語彙はあるにこしたことはない。書くものに、その人の読書経験がありありと出る。書くのに、読むのが大事なわけね。
ただ、勘違いしちゃいけないのは、リアリティはあってしかるべきだけど、ディテールに凝りすぎても必ずしも面白くはならないということ。詩人や歌人が書く小説は時として美しい日本語の単語に凝りすぎて全体としては…ということがよくあるらしい。

一枚の写真(ロベール・ドアノー)を見て、それを描写するプラクティスをやりました。

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朝もやの中、丘の上で、何百人もの人が、今か今かと待ちわびていた。ある人は祈りを捧げ、ある人は怒り狂い、ある人は自転車でその場をくるくるとまわりながら。その時、炎上した飛行船が空に現れた。それは一日、そこに漂っていた。人々は、それを見ながら、泣いていた。そうしてそれは、現れてからきっかり24時間後に消えていった。2月10日、それは、ヒンデンブルク号が10年前に炎上してから毎年現れる日なのだった。
(ん、あいつら、何もない空に向かって何やってやがる。近くの家の中で、引っ越してきたばかりのよっぱらいがつぶやいた。)